■2025年 天皇賞(春)回顧
新星誕生とベテランの意地、淀の長丁場に刻まれたドラマ。
2025年5月4日、春の古馬長距離王決定戦、第171回天皇賞(春)が京都競馬場・芝3200mを舞台に開催された。
良馬場で行われた伝統の一戦は、1番人気に支持されたD.レーン騎手鞍上のヘデントールが、ゴール前の壮絶な叩き合いをアタマ差で制し、GI初制覇を成し遂げた。
勝ちタイムは3分14秒0。鞍上のレーン騎手、管理する木村哲也調教師ともに天皇賞(春)初勝利となった。
■レース展開の分析
全馬ほぼ揃ったスタートから、まず4番ジャンカズマがハナを主張し、レースを引っ張る展開。
11番マイネルエンペラー、7番プラダリア、5番サンライズアースらが先行集団を形成。
1番人気ヘデントールは中団やや前目の6番手あたり、内々で折り合いに専念。
2番人気サンライズアースは先行集団の外目、3番人気ジャスティンパレスは後方寄りの12番手で1周目のスタンド前を通過。
最初の1000m通過は60秒7と、長丁場にしては比較的淀みない平均ペースで流れた。
2周目の向正面に入ると、後方にいたジャスティンパレスが外から徐々に進出を開始。
それに呼応するように、中団にいた各馬も動きを見せ始める。ヘデントールは依然として内で脚を溜め、勝負どころを見据えていた。
レースが大きく動いたのは3コーナー過ぎ。
早めに先頭に立ったマイネルエンペラーに、サンライズアース、そして外から進出してきたジャスティンパレスらが並びかける形で4コーナーへ。
ヘデントールは馬群の中、進路を探りながら直線へ。
大外からは6番人気のビザンチンドリームが猛然と脚を伸ばしてきた。
直線はまさに死闘。粘るマイネルエンペラー、脚を伸ばすサンライズアース、そして一瞬抜け出しを図ったショウナンラプンタ。
その間を割るようにヘデントールが力強く進出。残り200mで先頭に躍り出ると、外から猛追するビザンチンドリームとの壮絶な叩き合いとなった。
ゴールまで続いたマッチレースは、ヘデントールがわずかにアタマ差凌ぎきって栄冠を手にした。
着には直線内からしぶとく伸びた4番人気ショウナンラプンタが入り、4歳馬が上位を独占する結果となった。
先行して見せ場を作ったサンライズアースが4着、果敢に逃げたマイネルエンペラーが5着に粘り込んだ。
一方、3番人気に支持された昨年の覇者ジャスティンパレスは、早めに動いたものの直線での伸びを欠き6着に敗れた。
■上位入線馬の評価
1着:ヘデントール(牡4、D.レーン)
勝因は、何よりもレーン騎手の完璧なエスコートだろう。道中はロスなく内々を追走し、折り合いもスムーズ。直線で進路が開くと瞬時に反応し、最後まで集中力を切らさず、ビザンチンドリームの強襲を抑え込んだ。上がり3ハロン35.3秒はメンバー中3位タイだが、最も厳しい展開を制した勝負強さが光った。4歳にしてこの完成度は特筆すべきで、今後の長距離路線の中核を担う存在となることは間違いない。菊花賞では2着と敗れたものの、淀の長丁場を克服したスタミナと精神力は本物だ。
2着:ビザンチンドリーム(牡4、A.シュタルケ)
上がり3ハロン最速の34.9秒を繰り出し、勝ち馬にアタマ差まで迫った。後方でじっくり脚を溜め、直線で大外から一気に追い込んできた内容は非常に濃い。シュタルケ騎手も「ペースがもう少し流れて欲しかった」とコメントしているように、展開ひとつで勝ち負けが逆転していてもおかしくなかった。こちらも4歳馬で、今後の成長次第ではさらなる大舞台での活躍が期待される。
3着:ショウナンラプンタ(牡4、武豊)
レジェンド武豊騎手に導かれ、直線では一時先頭に立つかという見せ場を作った。道中は中団やや前で流れに乗り、勝負どころでスムーズにポジションを上げていくレース運びはさすがの一言。武豊騎手も「自分のレースは出来ました。4コーナーでセーフティーリードを取りたかったのですが、そこまでのキレはなかったです」と振り返っており、勝ち切るまでには至らなかったものの、地力の高さは証明した。
4着:サンライズアース(牡4、池添謙一)
前走阪神大賞典を圧勝し、2番人気に推された。道中は好位から積極的にレースを進め、直線でもしぶとく脚を使ったが、上位3頭の決め手に屈した形。池添騎手は「肩ムチを使ったり、促しながら、ずっと追い通しでした。遊んで走っています。それでも、長く脚を使って、かわされても踏ん張れたのは、力のある証拠」とコメントしており、まだ気性面に若さを見せながらも世代トップクラスの能力を示した。今後の成長に期待がかかる。
5着:マイネルエンペラー(牡5、丹内祐次)
果敢にハナを奪い、2周目の3コーナー手前まで先頭をキープ。直線でも簡単にはバテず、掲示板を確保したのは立派。丹内騎手も「この馬の持ち味を活かそうと運んで悔いの無い競馬はできました」と語っており、自身の持ち味を存分に発揮したと言えるだろう。
■レース総括と今後の展望
勝ちタイム3分14秒0は、近年の天皇賞(春)と比較しても平均的な時計であり、良馬場らしいスピードとスタミナがバランス良く問われたレースと言える。
上位を4歳馬が占めたことは、世代交代の波を強く感じさせる結果となった。
勝ったヘデントールは、これでGI初制覇。折り合いに不安がなく、どんな展開にも対応できるレースセンスは大きな武器。
秋の京都大賞典やジャパンカップ、有馬記念といった大舞台でも主役を張れる器だ。
惜しくも敗れたビザンチンドリームも、その末脚は一級品。
展開が向けばいつでもGIタイトルに手が届く存在だろう。ショウナンラプンタ、サンライズアースも今後の長距離戦線で目が離せない。
一方、実績馬ジャスティンパレスは6着。早めに動いて勝ちに行く競馬をしたが、最後は伸びを欠いた。
年齢的なものか、あるいは展開のアヤか、今後の立て直しに注目したい。
また、5番人気ブローザホーンは8着に敗れたが、菅原明良騎手は「馬場が硬くて、スピードの乗りがよくありませんでした。柔らかい馬場で、しぶとさ勝負が良いと思います」とコメントしており、馬場状態が敗因の一つの可能性もある。
伝統の長丁場で新たなスターが誕生し、世代交代を印象付けた一戦。しかし、古豪たちもまだまだ黙ってはいないだろう。
秋に向けて各馬がどのような成長曲線を描くのか、非常に楽しみなレースとなった。今後の古馬中長距離戦線は、ますます目が離せない。
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